奈良県と三重県の県境に位置する大台ヶ原は、日本百名山のひとつでありながら、初心者でも気軽に登れて絶景を楽しむことができます。
標高1,695mの日出ヶ岳を最高峰とする東大台コースは、整備された登山道と進んでいくにつれどんどんと変わる景観が魅力。
自然が作り上げた正木峠の景色や断崖絶壁の大蛇嵓、原生林の苔むした世界、ダイナミックな吊橋など、ハイキング感覚で本格的な大自然を体感できます。
この記事では、大台ヶ原ビジターセンターを起点とした東大台の一周コースを、アクセス情報から各スポットの見どころまで詳しくご紹介します。
大台ヶ原東大台コース概要
大台ヶ原ビジターセンター(9:00) 日出ヶ岳(9:30) 正木峠(9:50) 尾鷲辻(10:20) 牛石ヶ原(10:30) 大蛇嵓(10:45) シオカラ谷吊橋(11:45) 大台ヶ原ビジターセンター(12:05)
名称:大台ヶ原東大台コース
コースタイム:3〜4時間
距離:約8km
標高差:約250m
難易度:初心者
注意事項:大台ヶ原ドライブウェイは冬季閉鎖あり(11月下旬〜翌4月下旬)
大台ヶ原登山は主に、東大台コースと西大台コースがあります。
西大台コースは事前に申請が必要になります。
大台ヶ原登山の見どころの正木峠や大蛇嵓は、東大台コースで見れるので今回は東大台コースの紹介です。
東大台コースは、大台ヶ原ビジターセンターを起点・終点とする全長約8kmの周回ルート。
コースタイムは約3〜4時間で、標高差が少なく、ほぼ全区間で整備された木道や砂利道が続くため、登山初心者やファミリーでも安心して歩けます。
日出ヶ岳、正木峠、大蛇嵓からの景色は圧巻です。
前半は展望の開けた尾根歩き、後半は深い渓谷へと下るメリハリのある構成です。
コース唯一の注意点は、大蛇嵓からシオカラ谷への下り。
急な階段が続くため、下山時は足元に気をつけて進みましょう。
また、大台ヶ原は年間降水量が4000mmと屋久島と並ぶ日本有数の多雨地帯のため、雨具は必ず携行してください。
大台ヶ原ビジターセンター・登山口情報
アクセス
大台ヶ原ビジターセンターまで向かいます。
マイカーの場合 近畿自動車道・大和上市ICを降り、国道169号を南下。
上北山村を経由し、大台ヶ原ドライブウェイ(県道40号)を約19km走ると大台ヶ原駐車場に到着します。
大台ヶ原ドライブウェイは冬季閉鎖があります。
登山口・駐車場情報


- 駐車場: 無料(約250台)
- トイレ: 駐車場およびビジターセンター横に完備
- 自動販売機: 駐車場付近にあり
- 売店・レストラン: ビジターセンター周辺にあり(営業期間・時間は要確認)
ビジターセンターでは登山マップの配布や展示を通じて大台ヶ原の自然について学べます。
登山前に立ち寄り、コースの状況や天気情報を確認するのがおすすめです。

ビジターセンターの横側に東大台ルートの登山口があるのでここからスタート!
大台ヶ原の登山:東大台コースを歩く


まずは大台ヶ原最高峰の日出ヶ岳へ向かいます。
整備された樹林帯の中を進んでいきます。

登山口から約1.5km歩くと日出ヶ岳と正木峠に続く分岐と展望台があります。
この日は天気が良かったので、山々の先にうっすらと海も見ることができました。
さらに空が澄んでいると富士山も見ることができるらしいですがこの日は見えず・・・


展望台から最高峰の日出ヶ岳まで約300mなので山頂を目指します。
距離は近く山頂も見えているのですが、少し急な木道が続いて近そうで近くない、地味に疲れました。

ビジターセンターから40分ほどで大台ヶ原最高峰の日出ヶ岳に到着。
山頂には展望台が設置されており、天気がよければ富士山、熊野灘、大峰山系まで見渡せる360度の大パノラマが広がります。


普段の登山なら山頂に着いたら目的達成ですが、今回は通過点です。
一旦、登ってきた道を引き返して正木峠を目指します。


正木峠までの道のりもほぼ平坦で木道が整備されているのでとても歩きやすいです。
次第に景色の変化を楽しめます。

日出ヶ岳から木道を歩いて10〜15分ほど下ると正木峠に到着します。
かつてはトウヒの深い森でしたが、現在は立ち枯れたトウヒが林立する独特の景観が広がっています。
これはニホンジカによる食害と強風・積雪の影響によるもので、大台ヶ原が抱える自然の問題を象徴する場所でもあります。
一方でその幻想的な風景は多くの登山者を魅了しており、大台ヶ原といえば正木峠の景色と表現されることも。
背景には大峰山系の山並みが連なり、フォトスポットとして人気があります。
晴れた日の青空と枯れ木のコントラストは特に印象的です。
環境保護のため草原の中に立ち入り禁止です。


木道から茂みの道に変わり、少し進むと岩がゴロゴロした道になります。
といってもすぐにまた整備された歩きやすい道に戻りました。

正木峠からさらに15分ほど歩くと、東大台と西大台への分岐点である尾鷲辻に出ます。
西大台は事前の利用調整区域指定を受けた原始の森で、許可を得た少人数のみ入山できます。
東大台コースは尾鷲辻を右方向(牛石ヶ原方面)へ進みます。
尾鷲辻には休憩用のベンチが設置されており、コースのちょうど中間地点にあたります。
ここで水分補給や軽食をとるのがおすすめ。

尾鷲辻から10分ほど歩くと開けた草原地帯・牛石ヶ原に到着します。
笹原が広がる穏やかな高原で、中央には神武天皇の銅像が立っています。
牛石ヶ原はニホンジカの観察スポットとしても有名で、早朝や夕方には複数頭の鹿が草を食む姿を見かけることも。


牛石ヶ原から大蛇嵓は本格的な登山道に変わり、岩場が続きます。

大台ヶ原の1番の絶景ポイントで今回の登山の目的地です。
高さ100m以上にもおよぶ断崖絶壁の上に突き出た岩場で、眼下には深いV字谷と中ノ滝・西ノ滝が望めます。


先端部は鎖が設置されており、慎重に進めば岩の先端まで立つことも可能。
ただし、崖の方に傾斜があるため転落防止の鎖があっても近くまで行くと恐怖感で足がすくんでしまいます。
大蛇嵓は大台ヶ原でも人気ポイントなのでたくさんの人が訪れますが、スペースはここしかない上、強風が当たりやすい場所なので長居はしないほうがいいです。
来た道を戻り、シオカラ谷方面へと下山します。


大蛇嵓から急な下り坂を30〜40分ほど下ると、渓谷に架かるシオカラ谷吊橋に到着します。
高さ約20mの吊橋から見下ろす清流は清涼感たっぷり。夏場は特に涼しく、沢のせせらぎが心地よく響きます。
吊橋を渡った後は、ビジターセンターへの登り返し(約20〜30分)が待っています。コース全体でここが最もきつい区間。疲れてきていますが、ゆっくりと確実に歩を進めましょう。標高差は約170mで、整備された登山道を登ればビジターセンターに無事帰還できます。
まとめ
大台ヶ原東大台コースは、日本百名山でありながら初心者でも安心して楽しめる希少なルートです。
最高峰・日出ヶ岳からの360度の展望、正木峠の幻想的な立ち枯れの森、スリル満点の大蛇嵓、爽快なシオカラ谷吊橋と、約8kmの中にバラエティ豊かな絶景が詰まっています。
登山シーズンは5月〜11月が基本ですが、6月のシャクナゲ、秋の紅葉は特に美しく、多くのハイカーが訪れます。
降水量が多い地域なので雨具・防寒具は必需品。
事前に天気予報を確認し、余裕を持った計画で臨みましょう。
マイカー規制など年によって変わる情報もあるため、登山前は上北山村公式サイトや大台ヶ原ビジターセンターの最新情報を必ず確認してください。

