ニュージーランドのアオラキ・マウントクック国立公園に位置するBall Hutに1泊2日のテント泊でトレッキングしてきました。
マウントクック国立公園にはたくさんのトレッキングルートがあり、フッカーバレーやシーリーターンズなどが人気で、Ball Hutルートはどちらかというとマイナーなトレッキングコースですが、タスマン氷河の壮大な景色を楽しむことができます。
| 登山日 | 2026/1/23〜24 |
|---|---|
| エリア | ニュージーランド/アオラキ・マウントクック国立公園 |
| 天気 | 晴れ |
| ジャンル | テント泊(1泊) |
Ball Hutトラック情報
名称:Ball Hut Track/Aoraki Mt Cook National Park
ルート:Tasman Glacier Car Park Ball Hut
コースタイム:6H〜8H
距離(往復):19.6km
標高差:310m
難易度:中級(一部上級箇所あり)
駐車場:無料
トイレ:登山口、Ball Hut
Ball Hutまで片道10km近くありますが、標高差が310mなので平らな道が多いです。
ルートはタスマン湖沿いをまっすぐ進むシンプルな道のりですが、登山道は雪崩の発生しやすい場所だったり、高さ100mはあるであろうモレーンの上を歩いたり、崖崩れのための迂回ルートが過酷だったりと一部危険なルートも含まれています。
トラック後半は岩場が多くなるので標高差が低い方だが油断は禁物です。
日帰りでも可能ですが、アオラキ・マウントクック周辺でコスパよく泊まれるところがBall Hut Trackだったのもあり今回は1泊しました。
Ball Hut利用について

Ball Hutは最大4人のみが宿泊できる小規模な山小屋で、予約不要の先着順なため、Hut利用する人はこのことも頭に入れておかなければなりません。
テントを持参することを推奨されていますが、テントがない場合はハットに宿泊できないことを想定した登山計画を立てることも重要です。
私はもともとテント泊するつもりだったのでそこまで気にしていませんでしたが、私がBall Hutに到着した際もすでに一人がHutに宿泊していました。


Ball Hutの施設はマットレス、水洗ではないトイレ、蛇口からの水(未処理のため煮沸必須)があります。
小屋の中は非常にシンプルな作りです。
Ball Hut周辺にはイタズラ好きの鳥、Kea(ケア)が生息しており、朝方になると小屋のまわりに集まり泣いたり、小屋を突いたりして起こされます。
テントを突かれて破損させられる恐れもあります。
ちなみに私は、外に登山ストックをテントのポール代わりにしていたらグリップ部分をボロボロにされました。
Ball Hut Track登山口情報
Ball Hut Trackのスタート地点は、タスマン氷河駐車場(Tasman Glacier Car Park)で、マウントクック村から車で約8km、10分ほどの距離にあります。


水洗式トイレもあり整備された登山口です。
20台ほどの駐車場が完備されていますが、タスマン湖に見るために多くの人が訪れるのでほぼ満車状態でした。


駐車して少し歩いたところにBall Hutへの登山口があります。
Ball Hutまでの道のり

最初の5キロメートル区間は4WD用の道路で比較的歩きやすい区間です。
タスマン湖や氷河の右岸側に広がるモレーンを登る古い道路を進みます。

進むにつれて、周囲の雪と氷に覆われた巨大な山々を眺めながら歩くことができます。
私が訪れた時期は雪はありませんでしたが、雪が残っている場合は雪崩にも注意しましょう。


Dangerの看板が見えたら岩場に入ります。
私も後から気づきましたが、ここから山側に向かって歩いたほうがいいです。
なぜなら、この先崖を回避するための道が山側に続いているので、湖側歩くと岩場を登る距離が増えてしまいます。
ただし山に雪が残っている時は雪崩の危険もあるので、その時と場合に応じて進んでください。


ずっとタスマン湖沿いを歩いていましたが、ようやくタスマン湖の姿を目に。
これまで歩いていたTrackが寸断されて高さ100mくらいはある崖の上に私は立っていました。
2019年の悪天候により大規模な崖崩れが起きたため、それ以降はこの崖を回避する迂回ルートになりました。
この区間がBall Hut Track最大の難関になります。
高所が苦手な人や自信ない人は引き返すことも考えてください。

まずはこの崖を回避するために山側に登ります。
所々に石が積み重ねられたケルンがあるのでそれを頼りに登りますが、浮石だらけで傾斜が少しあるので体力と時間が奪われます。


山側に登っていると崖の高さに次第に低くなり、横断できそうな箇所が出てきます。
そこにもケルンがあるので探してみてください。
崖を横断して再び湖の方に下っていきます。


湖側に下っていると途中にケルンがあるので見逃さないようにしてください。
ここからが過酷な道です。
崖を迂回するために急な斜面を登り、横切らなければなりません。
この区間があるため、Ball Hutは上級者向けのコースになっているくらいです。
まずは急勾配の岩場を登っていきます。
この区間は、ストックなど持っている人はザックにしまって両手が使える状態で登ってください。


危険箇所にはロープが設置されていますが、伸縮性があるため伸びるのでかなり頼りないです。
ただ、ニュージーランドのトレッキングコースでロープが設置されている場所は余程の危険がないと設置されていません。
すぐ脇は崖になっており、足がすくんでしまいました。
道も狭く抜かるで滑りやすい非常に危険な区間で、ロープに頼りすぎないように一歩一歩慎重に進んでください。

結局、この崖を迂回するために1時間かかりました。
再び平らな道になるので気持ちと呼吸を整えながら進みましょう。

後半はモレーンの上を歩きながら景色も楽しめます。
このモーレーン上は脆弱なため崖崩れを繰り返しています。
コースの途中何箇所も崩れて迂回するルートになったとわかる道もあります。


終盤は岩場が続きます。
まっすぐ進めばいいですが、ケルンのそばを歩かないと歩きにくいです。
上部はかなりの急斜面になっているので常に落石に気をつけて通らなければなりません。

岩場を30分ほど進むと再びモレーンの道になり、その先にはようやく赤い小さなBall Hutが見えました。
広大な自然の中にポツンと立つ可愛らしい山小屋です。

景色はBall Hut Trackとさほど変わりませんが、広大な地にポツンと立つ姿に静寂さを感じました。
この静寂さの中に風の音や時々氷河が崩れ落ちる轟音など聞けて、なかなかこのような感情になる場所はそうはありません。
私が到着した時、すでにハットには一人の男性がいました。
ハット周辺は平坦な場所が多いのでそこにテントを張らせていただきました。

一見、火山地帯の景色にも見えますが、この砂のように見えるモレーンは氷河が谷を削りとった岩や土砂が堆積されてできた地形です。
長い時間をかけて作り出した自然の光景で、氷河のない日本では見ることができません。

ニュージーランド最大氷河、タスマン氷河も近くで見ることができます。

Ball Hut Trackは、山小屋までですがこの先も道が繋がっています。
この先は、ボールパスクロッシングと呼ばれるルートで難易度が一気に跳ね上がります。
今回は、時間の関係でハットまでしか行けませんでしたがこの先にどのような景色が待っているのかロマンを感じてしまいました。

この日は星空が綺麗だったのでinsta360で撮影してみました。
辺りは何もない真っ暗な場所なので星空もこんなに綺麗に!

朝方になるとイタズラ好きの鳥Kea(ケア)が動き出します。
ハットの周りを泣きながらウロウロしたり、私のテントを突いたりと気になって眠れませんでした。
そのまま起きて、テントを撤収してBall Hutをあとにしました。
まとめ
Ball Hut Trackは一見単純そうなトレッキングルートにも見えますが、どんどん氷山が近づくワクワク感とタスマン氷河と周辺の峰々の絶景、静寂の中での一夜など貴重な体験でした。
今回は天候に恵まれたので良かったですが、アオラキ・マウントクック国立公園一帯は悪天候になりやすく、荒々しい場所です。
また、脆いモレーン上を歩くため事前にトラックの状況や天候などの情報収集は欠かせません。
出発前にはビジターセンターで確認できるので活用することをおすすめします。
1日目
Tasman Glacier Car Park Ball Hut(3:30)
2日目
Ball Hut Tasman Glacier Car Park (3:00)
